2016年10月19日水曜日

人一倍敏感な子

「人一倍敏感な子」     
The Highly Sensitive Child  by  Elaine  N. Aron  

エレイン N. アーロン  訳 明橋 大二氏

自閉症スペクトラム障害の特徴には当てはまらない、
アスペルガー症候群、あるいは発達障害と診断される方々に治療の中で出会います。

・コミュニケーションが取れる
・友達と楽しめる
・想像力がある

けれど 感覚が敏感で集団の騒音がつらい、一定の音がつらい・・・

感覚が敏感で 一定の食べ物の匂い、食感、味覚がつらい・・・

「アスぺ的傾向???」
それにしては コミュニケーション能力が素晴らしい!!!
友達と遊ぶことが楽しくてしかたがない!!!

The Highly Sensitive Child
に出会って納得できました。

集団の騒音が耐えられない、
教師の怒鳴りが耐えられなくて 
小1の時に教室を飛び出して 運動場をウロウロしていたR君!

彼に出会ったのは 彼が小2の時でした。
勉強と心のケアということで 家庭教師をさせて頂きました。
小6の3学期、2月が最終でした。
その間、このThe Highly Sensitive Child に当てはまる状態を
繰り返し見る事になりました。

初めてのキャンディーを手にすると

袋を破る
匂いをかぐ
口に入れる
吐き出す

という行動がしばしばありました。

私は熱が入ると声が大きく、力が入ってしまうことがあります。
「それでね・・・」
という私の声に 彼の身体がビクッとしたことがありました。

即座に
「ごめん、ごめん、大きな声、苦手だったんだよね!」
と謝りました。

彼は小3~小6まで週に1回支援級に通っていました。

小5の時だったと思いますが
「支援級を卒業しても良い」
と支援級の先生から 提案されたそうです。
けれど
「続けたい」
という彼の意志で 小6まで通いました。

今、中2です。
自分で決めた 剣道の部活を続けています。
市の大会で賞を取ったり、
道場の指導者から お母さんに
「素質があるから 道場に通わせて下さい」
と言われたり・・・。
道場は 話があってから数ヶ月して自分で行くと決め、
毎週土曜日、学校の部活の後、夜 3時間の練習に通っているそうです。

ご両親が共働きですので 世話をされてきたのは 主におばあちゃんです。
おばあちゃんは
「小学校の頃のことを思うと 今の成長が夢のようです。」
とおっしゃいます。

私は彼に「勇気づけの対応」だけで接しました。

小2の頃は 何を言っても 返事は
「うんこ!」
でした。

「何色で塗る?」
「うんこ色!」

「じゃあ、この茶色がうんこ色に近いかな?」
「嫌だよ!青にする」

どこまでも 肯定的に接しました。

彼が小4位の時だったと思います。
出来事は忘れましたが
R君が 私を怒らせようと試みたことがあります。

「R君、私を怒らせようと思ってるでしょう。
私、年よりすぎて 怒るエネルギー無いから
むだだよ!」

と言うと ニヤッと笑いました。
その後は 全くありませんでした。

おばあちゃんには ひたすら「勇気づけの実践」をお伝えしました。

「きつく注意しなきゃだめだ!!!」
と言っておられたおじいちゃんも 
徐々に対応を変えられていったそうです。

「主人とも仲良くなりました!」

勇気づけの実践を一緒に行った4年間、見せて頂いて6年間。

実践は 人生、家族を変えます!