2009年7月31日金曜日

笑顔の多い街・モントリオール

モントリオールで暮らしていてしあわせを感じるひとつに
「多くの人の 笑顔に出会えること」があります。

通りを歩いている時、入ったお店やスーパーのレジなどで
にっこり微笑みかけられることがよくあります。
通っているYMCAでも 初めて出会う人とでも
挨拶や笑顔を交わすことは よくあります。

5月末にモントリオールに来た友人も 私の近所の人達が
「お帰りなさ~い、カナダへ戻って来たね!!!」
と声をかけてくださるのを見て
「昔の日本の田舎のようだね。」
とか
「一人で歩いていると 毎日必ず誰かに声をかけられる。みんな優しいね!!!」
と言っておられました。

トロントから来た人やフランスから来た人からも
「モントリオールはみんながフレンドリーで優しいから 心地よく暮らせる。」
と聞いたことがあります。

笑顔も「勇気づけの効果」があります。
笑顔からは ネガティブ(否定的)な言葉は出てきませんから。

心からの笑顔は精神的に健康かどうかのバロメーターですね。

娘と母のように・・・

朝パソコンを開くと Tさんの娘さん、Kさんからメールが入っていました。
2回ほどのメールの往復の中で
「今度戻ってきたら娘と母のように待ち合わせて美味しい物食べに行きましょう。」
と言って頂きました。

きょうのモントリオールの青空のようにさわやかなKさんからの
“娘と母のように”
のフレーズがとても気に入って しあわせな気分になりました。

2009年7月30日木曜日

こころの未病

育児講座は精神病理予防としての効果があります。

子どもが幼児、小学生の低学年のうちは 大人は
子どもが精神的に未発達のような思いがあるのか
子どもの気持ちよりも 大人の考えや都合を優先しがちです。

漢方で 未病(病気ではないけれど、病気に向かっている状態)という言葉があります。
心理セラピストとして 親子関係講座のインストラクターとして
精神的未病の状態の子ども達を見ることは 多々あります。

サンフランシスコの親子(アメリカ人)の例です。
両親+14才の長女+10才の二女の4人家族です。
私が初めてその一家に出会ったのは今から5年ほど前です。
ご夫婦はどちらも高額所得者で共働き。
住み込みのお手伝いさんが二人の娘さんの世話をしておられました。
お母さんの娘への接し方と娘さんの表情を見て
上の娘さんがティーンになった頃に 
娘さんとの良好な関係を保つことは難しくなる、と予測出来ました。

この夏、14才の娘さんが一人でサンフランシスコから
モントリオールの友人宅に遊びに来ました。
友人の話では 母親との関係は良いものではないそうです。
厳しい母親の目を逃れるために 言い訳や作り話をしたり
けんか腰に話をしたり、あるいは無視したり。

このように子どもがティーンになると 仮に親の意見が正しくても
思い通りにすることは出来ません。
日常生活の中で 争うことが多くなります。

日本で親族間殺人が多く見られるのは
このような関係が極限に達した結果です。

アドラー心理学の不適切な行動の目的の3番目の復讐です。

友人の娘さんの場合はまだ 2番目の闘争の状態です。

既に出来上がったネガティブな関係をポジティブなものにするには
時間と労力がかかります。
子どもとの関係がこのようになる前に 赤ちゃんのころからあるいは妊娠中から
対応の方法を学ぶことが 子どもと良好な関係を持つ将来につながるのです。

そして子どもが 次の態度を身につけます。
1.自分のことは自分で決める。
2.自分で決めたことには責任を持つ。

不登校・ニート・引きこもり・自殺という心配はほとんど無いでしょう。

2009年7月29日水曜日

親バカと言うんだよ!!!

7年ほど前のことです。
「ベースを習いたいんだけど・・・」
それまでは自分でベースを弾くことを楽しんでいた息子が言いました。

「本人の望むことは できる範囲でできる限り援助する。」
というアドラー心理学の育児講座の基本を踏まえて OKをしました。
「どうなるか分からない、けれど本人が納得いくまで応援しよう。」
と・・・。

高校の最終学年を迎える前には 
「チャーリー・ヘイデンの教えている大学に入りたい。」
と 決めていたようです。

息子は中学を卒業してすぐ 英語を全く話せない状態でカナダに来ました。
時間をかけて高校を卒業しました。
「お母さん、僕もカナダへ連れて行って。」
と 来ることを自分で決めた為 
言葉の通じない高校へ通うことの大変さについては 
ひとことも小言を言いませんでした。

最近息子が下のサイトを送ってきました。
彼の演奏です。
ジャズに興味のある方は是非サイトへ行って聴いてくださいますか?
「そういうのを 親バカと言うんだよ。」
と 息子に言われそうですが・・・。
http://www.reverbnation.com/masatoshisato

私は息子が10才の時からアドラー心理学の育児講座の教えに従って接してきました。アドラー心理学に出会わなかったら 親の意見・考えを押しつけていたと思います。
一度学んで実践すると 家族と良い関係を持つ、どのような人間関係にも応用出来る、実践している人々と安定した良い関係が持てるなど 限りない効果を実感できます。
これはEMDRの理論、効果とも一致していて EMDRのトレーニングを受けることがとても楽しみです。

2009年7月28日火曜日

私には何が出来ますか?

「簡単なことしかできませんが 私には何ができますか?」
日本の大学4年生のMさんから頂いたメールです。

次のように返信しました。

「試験が終わったら、Fちゃんに元気がでるもの送ってみようと思ってますo(^o^)o」と 
前のメールにありました。
Mちゃんが
「こうしてあげたい」
と思ったことが 一番Mちゃんらしくて良いと思います。どんなことでも
「自分がどうしたいか」
で考えると 答えが見つかります。時と場合によっては相手に
「して欲しいことがあったら 言ってね。」
と尋ねる方法もありますが。

Mさんは 友達が落ち込んでいることを心配しておられるのです。

Mさんご一家とはモントリオールで出会いました。
Mさんのお母さんも 私の講座(アドラーの育児方法)を学んで下さいました。

Mさんご一家との出会いも
「アドラーの勇気づけを学ぶと ポジティブな人間関係が広がります。」
という例のひとつです。

ポジティブな人間関係がしあわせを運んでくれます。

2009年7月25日土曜日

何も言わないで見守ること

「3番目の子どもの就職が内定しました。何も言わないで見守る事、本人が決める、この2点守れました。」
とTさんからメールが入りました。

友人のTさんは 15年前に 私の初めて子育ての講座を受けて下さった方でもあります。
一番上の娘さんが 中2(14才)の時でした。

講座の内容を忠実に実践されたことが とても印象に残っています。
「気をつけていたのに また言わなくてもいいことを言っちゃったの。せっかくこのところいい関係だったのに。」
「大丈夫。スタートラインまでは後退しないから。」
このような会話を何回か繰り返したこともあります。

4月に帰国してTさん一家にお会いした時 一番上の娘さんの
「家で反抗期があったのは 私だけよね。弟達はなかったよね。」
の言葉に 驚きました。
Tさんが講座を受けて下さったのは 
「一番上の娘さんとの関係を良くしたい。」
からだったのですが 実践されたことで 下の二人の息子さん達とは
特に悩みは生じなかったということでした。

また3番目の息子さんが 土日一人で家にいることが多く
洗濯物の取り込み、流しの片付け、犬の散歩、お風呂掃除と支度を
されているのを見てTさんに聞くと
「講座で習って 家族で分担を始めたことから 家族が居ない時は
あの子がするようになったの。」
とのことでした。

子宝といいますが こどもが家庭に協力的で 自分の道を自分で見つけて
自立してくれることは本当に「宝」だと実感します。

アドラー心理学の育児講座を実践されると
15年後にはこのようになります!!!
という見本のようなTさんご一家です。

Tさん お知らせ下さって ありがとうございました!

2009年7月23日木曜日

うれしかったこと

クライエントの方からメールを頂きました。
30代の男性、Aさんとします。
彼は中学のころ同級生の女子にいじめられた経験がありました。
「卒業してから10年以上経っているのに 年に何回もいじめられている夢を見るんです。また昨日も見たんです。普段は顔もはっきり思い出せないのに 夢の中でははっきり顔が見えるんです。」
「起きたときは 嫌な気分です。」

3回目に会った時のことです。
「いじめられた夢を見たんですけど 今までと状況が違ったんです。いつもはいじめられているところで終わっていたんですけど 今度は 男子が出てきて 助けてくれたんです。」
「目覚めた時は ほっとした気分でした。」

何ヶ月後かに会った時は
「そういえば 夢はすっかり見ません。忘れてました。」

今回のメールでは次のようにありました。
「新しい方向に進むことが決意できたので 症状も落ち着いている。いろいろなことが ポジティブな視点から捉えられるようになった。」
誰かの役に立つことが 人をしあわせにする。 
とアルフレッド・アドラーは言ったのですが 本当にその通りです。
彼のメールのおかげでしあわせを感じました。

2009年7月21日火曜日

5人家族で3ヶ国語

IM家の子ども達とのお付き合いが始まって丸4年が経とうとしています。

IM家のご家族は 日本人のママ、フランス系カナダ人のパパ、そして3人(15才、12才、10才)の子ども達です。

子ども達は フランス語系の学校に行っており
学校では 第2外国語として英語を学んでいます。
ですが 彼らにとっては 第3外国語です。
というのも ママとの会話は日本語で 日本語の読み書きも出来るからです。

両親の会話が英語でされているので 英語も良く分かり、学校の英語の授業でも
上のクラスに入っているそうです。(習熟度別のクラス)

加えて一番上の子は 学校で中国語を既に2年間習っています。

ママと私とは日本語、パパにはフランス語を難なく切り替えて話し、
両親の英語の会話も理解できている!!!
人間の脳、人の学びには限界は無いのか・・・ 
と 感動します。

ママによると
「このごろは夫婦の会話の行き違いを 娘がママには日本語で、パパにはフランス語で説明し補足するんですよ。」
と・・・。

(IM家のお母さんに了解を得て書いています。)

良い子じゃないの!

A君が漢字を一字一字ていねいに書いています。
「よく頑張ってるね。」
と声をかけた私に A君が答えました。

「でも僕は 良い子じゃないの。いつもお母さんに怒られてるから。」

「自分で“良い子じゃない”って思ってるの?」
私の問いかけに
「うん。」
と目を見てしっかりうなづきます。

お母さんが A君に注意されるのは もちろん常識の範囲です。ですが 子どもはその中で自己概念を形成していくのです。

「ぼくは良い子ではない。」というY君の自己概念は
「ぼくは がんばっている。」「ぼくは自分のことは自分でできる。」など
肯定的なものに置き換えられたほうが 彼の将来に役に立つのは明らかです。

「ピアノの先生も 怒るの。“ちゃんとやりなさい!”って。」
「ちゃんとやってないの?」
「難しいの。」

大人が期待しているように 子どもは行動する。
というアドラー心理学のテキストの中の言葉を A君は自分のこととして話してくれています。大人が叱ると子どもはその言葉を 自分に対する評価であるかのように解釈し、次第に相手の言葉のように行動するようになるのです。

お母さんがA君を可愛い、大切だ、と思っておられることは明らかです。
ところがA君の為を思って注意することが A君の自己概念を否定的なものにしているのです。

これが私たち大人が
「気がつかないうちに子どもの勇気をくじいている。」
ということなのです。

EMDRの本を読み進んでいて気がついたことがあります。
私は学校で理不尽に扱われた、という記憶があって 特にアドラー心理学を学んでからは 「子どもの立場に立って出来事を見ている」のです!

A君の良さを伸ばすようにサポートしていけたら・・・と思っています。

2009年7月16日木曜日

親を殺した子ども達

子どもが親を殺したというニュースを目にする度に
10代、20代で殺人という罪を背負って生きていくことになる彼らを思うと
心が痛みます。

子どもの不適切な行動の目的は 次の通りです。

1.注目関心
2.闘争
3.復讐
4.無関心

親が電話をしている時など 子どもが話しかけてくることがあります。
「まったく!!!うるさいわね~~~。」
と 親はイライラすることがあります。
子どもの行動の目的は 「1」の親の注目・関心を得ることです。

子どもが親の言うことを聞かない、腹が立つ、は2の「闘争」の域に
入っています。

子どもが 親に勝てない時、子どもは「3」の復讐を企てます。

親が子どもの対応を ほんの少しでも学んでいれば
このような悲劇には至らないでしょう。

不登校の子どもは「1」の段階かも知れないし、「4」の段階かも知れません。
どちらにしても 一番身近な親が対応を学べば 子どもの不登校の状態は
快方に向かいます。
アドラー心理学の対応は 経験や思いつきではなく100年の歴史と
北米・ヨーロッパでの実績・科学に基づいた子育ての方法です。

講座を受けて実践された方のお子さんは 確実にプラスの方向へ
行動を起こされます。
お子さんの行動の目的が軽いうちに 子育て講座を学んで頂けたら・・・
と 思います。
親である限り子どもが何才になっても 学んだ対応は役に立ちます。

2009年7月13日月曜日

カップルの破綻

安定していると思われたカップルが 離婚に向けて別居を始めたと聞きました。

「自由と自分のスペースが欲しい。」
という奥さんからの離婚の申し出とのことです。

結婚して35年。
奥さんはずっと専業主婦です。
趣味と実益を兼ねて アクセサリーの制作と販売をされています。

私の友人がご主人の幼馴染でアクセサリーの展示会に
誘われたことがあります。
ご主人が 奥さんの作品の展示販売に協力しておられる姿が
印象的でした。

住んでいた家は 奥さんと子ども二人がそのまま暮らし、
ご主人が 家を出たそうです。

ご主人は借りた家に 子どもがいつ来ても泊まれるようにと
準備を始められました。

カップルカウンセリングも受けられていたとのことですが
奥さんの「別れたい。」という気持ちは変わらなかったとのこと。

「愛」の関係は すれ違いが少ないうちに近寄る努力をしないと
大きくなってからでは 修復が困難になります。

2009年7月10日金曜日

MMFCAのワークショップ:1回目

MMFCAのワークショップを開催しました。

様々なバックグラウンドを持つ17才から28才までの青年達10人対象でした。

全部で8回です。
その内の3回は「性格形成について」です。 
きょう盛り上がったのは
4種類の動物の中から1種類を選んで その理由と他の動物を選ばなかった訳を
発表するという内容でした。

4つのなかから一つを選んだことを伝える中で
自分の理想・信念が明らかになっていきます。

主催者の「青少年保護団体」の方からも 
「参加者の意欲的な発言につながったワークショップだった。」
と フィードバックを頂きました。

・・・来週までの家庭での宿題・・・
子どものいる人達が4人でした。
子育てにも応用できる宿題にしました。

「肯定的な部分を見つける」です。

ワークショップを主催して下さったのは
団体で働いておられる J.P.さんです。
J.P.さんが 青年達と信頼関係を築いておられるのを
見て 心を動かされました。

2009年7月6日月曜日

百人一首

てらこやで 百人一首をしました。

イギリスで日本語を習っていたというきょうだいが
「百人一首は 面白い。意味は知らないけど。
覚えようとしなくても 何回もやってると 覚えるの。」
と言うのです。

「読むのは先生。」
と言うので むかし、むかし聞いたのを思い出しながら
読みました。

終了時間が来たのも気づかずに 真剣に札を探していました。

顔に関係のある慣用句も 楽しんで学習しています。
「鼻にかける」「口をそろえる」「目を丸くする」
など・・・。

2009年7月3日金曜日

苦手意識

子どもと勉強していて いちばん楽しい瞬間は
「分かった!」
と笑顔を見せてくれる時です。
一番印象に残っているのは 今はもう立派な娘さんになられているBちゃんです。
私が落ち込んでいた時期だったので
彼女の笑顔は 私にとって大きな勇気づけでした。

きょうは 一緒に日本語を勉強している Mさんとうれしいことがありました。
 
「詩の暗唱をしてみない?」
と3週間前に提案しました。
「私、詩を覚えるのは 得意じゃないの。妹は得意だけど。」
・・・
「あ~、覚えなくてもいいのよ。読むだけで。」
など、いくつかの留意点を伝えました。

3週間目の今日、ほとんど間違えずに暗唱できました。
宮沢賢治の「雨にも負けず」です。

にっこりとうれしそうなMさんと
しあわせなひと時を 共有できました。

2009年7月2日木曜日

EMDR

EMDRとは「Eye Movement Desensitization and Reprocessing」の略です。訳すと「眼球運動による脱感作と再処理 」となります。
特にPTSD「Post Traumatic Stress Disorder」(外傷後ストレス障害)に効果があると言われています。

「EMDRのトレーニングを受けると セラピーの効果を高めることができますよ。」
と 日本でアドラー心理学関連講座でお世話になったS先生に勧められていました。

モントリオールに戻ってから EMDRのトレーニングを受けて 治療者として認定される所を探していました。
北米のあちらこちらにで研修がありますが 
トレーニング費用+飛行機代+宿泊費=高額 となります!

ネットサーフィンでたどり着いたのが London で行われる研修です。
London と言っても 英国ではありません。カナダのオンタリオ州にある街です。
メールで問い合わせると 翌日に
「秋の研修で会えるのを 楽しみにしています!」
と 返事が来ました。
のんびり走る列車で10時間前後かかります。
(新幹線があったら 5時間もかからないのではないかと 思うのですが・・・)
研修開催地の近くの公的なホテルも予約出来ました。

「EMDRの研修を受ける。」
と 友人に言うと たいてい
「実験で 安くやってね!」
と即座に言葉が返ってきます。

多くの人が 忘れてしまいたい出来事を持っておられるのかもしれません。

研修中に私も受けられることでしょう!
楽しみです。

2009年7月1日水曜日

子どもの行動の目的は???

お母さん方からよく聞く言葉です。

「腹が立って、腹が立って・・・」
「ホント、イライラなんて通りこしてます!!!」

子どもの行動の目的は 大人の感情から推測出来ます。

アルフレッド・アドラー博士の弟子であったルドルフ・ドライカース博士は
子どもの不適切な行動の目的を4つに分類しました。
そして 大人の感情から推し量ることが出来る、としました。

  大人の感情        子どもの行動の目的

1.「イライラする」      「注目・関心を得ること」
2.「腹が立つ」       「権力闘争」
3.「悲しい」        「復讐」
4.「絶望」         「無気力」

大人が子どもの行動の目的に気がつかないで対応を変えないと
子どもの行動の目的は 1から2へ、2から3へ、3から4へと
進んで行きます。

子どもの行動が気になったら 対応の方法を学ぶチャンスです!
「鉄は熱いうちに打て!」
と言います。
早すぎるということは 決してありません。

という事で きょうは講座の宣伝でした!!!