2009年7月30日木曜日

こころの未病

育児講座は精神病理予防としての効果があります。

子どもが幼児、小学生の低学年のうちは 大人は
子どもが精神的に未発達のような思いがあるのか
子どもの気持ちよりも 大人の考えや都合を優先しがちです。

漢方で 未病(病気ではないけれど、病気に向かっている状態)という言葉があります。
心理セラピストとして 親子関係講座のインストラクターとして
精神的未病の状態の子ども達を見ることは 多々あります。

サンフランシスコの親子(アメリカ人)の例です。
両親+14才の長女+10才の二女の4人家族です。
私が初めてその一家に出会ったのは今から5年ほど前です。
ご夫婦はどちらも高額所得者で共働き。
住み込みのお手伝いさんが二人の娘さんの世話をしておられました。
お母さんの娘への接し方と娘さんの表情を見て
上の娘さんがティーンになった頃に 
娘さんとの良好な関係を保つことは難しくなる、と予測出来ました。

この夏、14才の娘さんが一人でサンフランシスコから
モントリオールの友人宅に遊びに来ました。
友人の話では 母親との関係は良いものではないそうです。
厳しい母親の目を逃れるために 言い訳や作り話をしたり
けんか腰に話をしたり、あるいは無視したり。

このように子どもがティーンになると 仮に親の意見が正しくても
思い通りにすることは出来ません。
日常生活の中で 争うことが多くなります。

日本で親族間殺人が多く見られるのは
このような関係が極限に達した結果です。

アドラー心理学の不適切な行動の目的の3番目の復讐です。

友人の娘さんの場合はまだ 2番目の闘争の状態です。

既に出来上がったネガティブな関係をポジティブなものにするには
時間と労力がかかります。
子どもとの関係がこのようになる前に 赤ちゃんのころからあるいは妊娠中から
対応の方法を学ぶことが 子どもと良好な関係を持つ将来につながるのです。

そして子どもが 次の態度を身につけます。
1.自分のことは自分で決める。
2.自分で決めたことには責任を持つ。

不登校・ニート・引きこもり・自殺という心配はほとんど無いでしょう。