2009年7月21日火曜日

良い子じゃないの!

A君が漢字を一字一字ていねいに書いています。
「よく頑張ってるね。」
と声をかけた私に A君が答えました。

「でも僕は 良い子じゃないの。いつもお母さんに怒られてるから。」

「自分で“良い子じゃない”って思ってるの?」
私の問いかけに
「うん。」
と目を見てしっかりうなづきます。

お母さんが A君に注意されるのは もちろん常識の範囲です。ですが 子どもはその中で自己概念を形成していくのです。

「ぼくは良い子ではない。」というY君の自己概念は
「ぼくは がんばっている。」「ぼくは自分のことは自分でできる。」など
肯定的なものに置き換えられたほうが 彼の将来に役に立つのは明らかです。

「ピアノの先生も 怒るの。“ちゃんとやりなさい!”って。」
「ちゃんとやってないの?」
「難しいの。」

大人が期待しているように 子どもは行動する。
というアドラー心理学のテキストの中の言葉を A君は自分のこととして話してくれています。大人が叱ると子どもはその言葉を 自分に対する評価であるかのように解釈し、次第に相手の言葉のように行動するようになるのです。

お母さんがA君を可愛い、大切だ、と思っておられることは明らかです。
ところがA君の為を思って注意することが A君の自己概念を否定的なものにしているのです。

これが私たち大人が
「気がつかないうちに子どもの勇気をくじいている。」
ということなのです。

EMDRの本を読み進んでいて気がついたことがあります。
私は学校で理不尽に扱われた、という記憶があって 特にアドラー心理学を学んでからは 「子どもの立場に立って出来事を見ている」のです!

A君の良さを伸ばすようにサポートしていけたら・・・と思っています。