2014年5月30日金曜日

夫婦の課題

「子どもとの関係は改善されたのですが・・・夫と・・・」
「誰にも怒らないで接することが出来るのですが 妻には・・・」
「ついイライラしてしまいます。」

勇気づけセミナーの1章「不適切な行動の目的」では

・自分の感情に気づく
・相手の行動の目的を推測する

ことを学びます。

2章は「誰の課題?」です。
夫婦で話し合って課題に取り組めない場合は 自分だけでも実践できます。

「適切な行動に声をかける」
が その一歩になります。

「そういえば、妻にたいして言葉かけが少ないかも、いやほとんどないかも・・・」
・・・日本人夫には多いパターンです。

ここに 夫婦の課題をプラスの方向へ持っていくヒントがあります。

夫に対しても同じです。

自分が分かって欲しい、と思う前に
相手を理解するところから始めます・・・。

2014年5月28日水曜日

家族に忍び寄る!脱法ドラッグ

きょうのNHKの「あさイチ」のテーマは「家族に忍び寄る!脱法ドラッグ」でした。

思春期までは リーダー的な存在だった青年が思春期に友達から誘われたことがきっかけで
脱法ドラッグから抜け出せなくなった「再現」ドラマが流れました。

NHKのサイトにも載っていますが 相談窓口が紹介されていました。

厚生労働省「あやしいヤクブツ連絡ネット」 03-5542-1865

各都道府県「精神保健福祉センター」

子どもたちが脱法ドラッグに出会う前に このような番組を子どもと見ること、
あるいは情報を提示したり 家族で話し合うことが必要だと思います。

好奇心から入る場合、友人に誘われて・・・
という場面に出会ったときに 危険なものであるという情報を持っていることが
ブレーキになる場合もあるからです。

また治療、回復のためには
「家族の支え、理解が大切」
と薬物治療をされている精神科医のお話がありました。

どのような場合にも「家族の支え、理解」は 安心できる居場所として重要なのですね。

2014年5月27日火曜日

ブラックシープ・・・

アドラー心理学で 「中間子(きょうだいの中で真ん中の子)は ブラックシープになりやすい。」
と言います。

ある方がおっしゃいました。

「小3のころ書いた詩を思い出しました。」

「兄には母のひざがある。
 妹には父のひざがある。
 私にはひざがない。」

その方はブラックシープにはなられませんでした。

悲しいことがあるといつも山を見ておられたそうです。
自然、山が その方にとって「ひざ」の役割を果たしたのかもしれません・・・。

 

2014年5月25日日曜日

誰の課題?

きょう、日曜日の「勇気づけの親子関係実践セミナー」は
2章、「誰の課題?」を行いました。

心配、イライラ、不安、腹立ちなどは
・・・自分の課題・・・です。

親の責任は 子どもの課題を取って代わることではなく、
子どもが 自分で自分の課題解決に向かうことが出来る態度を育てることです。

他者のせいにせず、
自分の行動は 自分が決意した・・・と思うことができる人に。

小1のお子さんを持っておられる若いお母さんの実践です。
「学校へなかなか出かけようとしなかったのです。毎日声をかけていたのですが 変化がありませんでした。言い方を変えてみました。」

「お母さん、手が離せなくて時計見れないから 何時か見て!と頼んだのです。すると 出かける時間だ、とハッと気づいたようでした。それ以後は そのように声をかけると自分ででかけるようになりました。」

お母さんが お子さんに協力を依頼されたのですね!!!

お子さんは お母さんの役にも立ち、自分も時間に気づく!!!

お母さんのアイデアに感動しました。

2014年5月24日土曜日

少年犯罪の厳罰化

2014年5月24日(土)朝のNHKニュースで 少年犯罪が増えていることから
厳罰化が必要とされているとありました。

いじめ、自殺、うつ病、どれも対策は検討されます。

「予防」が話題にならないのは どうしてでしょうか?

犯罪は 加害者もそこに至るまでの背景があります。

犯罪を増やさないためには 「安心できる居場所」が 家庭、学校をはじめとする社会に必要です。

たとえば学校でのいじめでは 学校という場所で 誰もが安全で安心できれば減少するはずです。
学校全体が安全・安心な場所でない場合、
一つのクラスを安全・安心できる場所にすることは可能です。

一つのクラスで 協力を学んだ児童、生徒の何人かは
次のクラスが安全・安心でないとしても
前の学年で学んだ協力を生かすことが出来ます。

いじめは
児童、生徒が 教師から
「勇気づけの対応=人としての価値は同じである」
という接し方をしてもらうことで 必ず減少します。

アルフレッド・アドラー博士は
「すべての精神病理は 勇気をくじかれていることに起因する」
として 親、教師に
「勇気づけの対応」の大切さを説きました。

厳罰化だけでは真の解決にはならないのです。

2014年5月22日木曜日

ミルフィーユ

私は トラウマを ミルフィーユに例えてお話ししています。

日常の叱責をミルフィーユの一番下の層とすると それが度重なるごとに 層が重なっていくのです。お母さんからの叱責、学校でのいじめ、テレビで見たこわいできごとなどなど 何が記憶に蓄えられていくかは 誰にも分りません。

層が重なっていくと 製品としてミルフィーユになり、その時には 様々な症状を呈するようになるのです。

きょうは 幼稚園のお母さん方との「勇気づけセミナー」でした。

あるお母さんが
「今、息子の中に出来上がった層を一枚一枚はがしている状態です。」
とおっしゃいました。

すると続いて
「私は 層を積まないようにしているところ!」
と・・・。

このような言葉は 本当に真剣に実践されているからこそ出てくるものです!

実践を通して アルフレッド・アドラー博士の言葉
「勇気づけの対応は 将来の精神病理を予防する」
を実感しているとおっしゃって下さいました。

アドラー心理大学院でカウンセリング心理学を学んだことが どなたかの役に立っていることを
本当に幸せに感じるひとときです。

「ありがとうございます。」
とお伝えしました。

トラウマとEMDR

「EMDRがトラウマに効果があるって どういうこと?」
と 知り合いから問われました。

申し訳ありませんが 続きはこちらで読んで頂けますでしょうか?




2014年5月21日水曜日

調息

20年ほど前 太極拳を少し習いました。

最近再び始めたのですが 先日は「調身、調息、長心」について説明されました。
インドのヨガ、中国の太極拳も共通してこの三点のコントロールを目指しているとのことでした。

EMDRセラピーの中でも両極性刺激の後、深呼吸をします。

回を追うごとに 呼吸が浅かった方が しっかりとゆっくり深い呼吸ができてきたことに気付くことがあります。
クライエントの方の表情もリラックスされているように見受けられます。

「調息」について調べていると 「自律神経を調整するリラックス法」に行きつきました。

1932年にドイツのシュルツ博士が発表されたものだそうです。

九州大学病院心療内科のサイトの サイトマップに「自律訓練法」として載っています。



2014年5月20日火曜日

がんばれ!!!

「がんばれ!」
という言葉を うつ症状の方に言ってはいけないということは 知られてきていると思います。

昔、息子が
「お母さん、この作文、面白いよ。」
と見せてくれた高校の卒業文集を思い出します。
タイトルは「マラソン」でした。

「がんばれ、と言って下さるのは ありがたいのですが もう十分がんばっているのです。」

マラソンは好きではない、二度と走らないと思う、ともありました。


看護師さんに聞いた患者さんの言葉もあります。

「これまでがんばって来た。もうこれ以上がんばれない!」


十分がんばっておられる方が 自分を肯定できない・・・。
記憶の中に
「がんばれ!」
と言われて 
「どこまで頑張っていいのか分からない。」
とありました。

「勇気づけ」の観点から見ると 「がんばれ!」ということばをもらっても
分かってもらえたと感じられないのです。

ですから意欲的になれない、
むしろ時としては勇気をくじかれてしまうのですね。

2014年5月18日日曜日

自分で決めた!

さみだれ登校だった小学生のA君に会いました。

「4月以降、休んだのは1日だけです。」とお母さん。

「新学期になったら月~金まで全部行く、って自分で決めたの。だから行く。」
とA君。

保護者の方が「自分で決める」という援助をすることは 忍耐がいります。
親として、自分の不安と向き合うことにもなります。

揺るがずに一貫性を持って接して頂くと 必ず成果につながります。

お母さんが安定した気持ちで接して頂くことが何よりも子どもさんに 安心感を与えます。

将来についてもどうしたいかをちゃんと考えているA君でした。

「敬語が使えるようになったのを見て嬉しく思いました!」
とお母さん。

「自分で決めた!」
ときっぱりと言うA君に成長を実感しました。

長男の記憶

長男が中2まで 私は(典型的な伝統的)教育ママでした。

①子どもの為によかれ、と思って計画を立て、実行する
②親が正しい、と思い指示・命令をする


長男は今30代前半です。
彼が小1の時、地域のサッカーに入っていたことがありました。
運動な苦手な彼に 少しでも慣れてほしい、という気持ちでした。
日曜日の午後が練習日でした。

「楽しい週末の最後に 何で好きでもないサッカーに行かなきゃいけないか分からなかった。
興味があった訳でもないし、ルールを知っていたわけでもない。苦痛でしかなかった。」
と しっかり記憶にありました。

彼は言葉に出して
「行きたくない。」
「嫌だ。」
とは言わなかったので しばらく続けていました。
長男の記憶では 数か月だそうです。

何か気乗りのしなさそうな長男の様子から
「サッカー、止める?」
と問うと 嬉しそうに
「うん!」
と返事をしたことを覚えています。

気乗りのしない、という様子だったのですが
20年以上経てしっかり
「強制させられた記憶」
として残っていました。

ごめんね!
あの頃、勇気づけの対応を知らなかったから・・・。

彼は今、寝たきり老人になりたくないから・・・
と運動をしているとのこと。

私も同じですが 40歳になってから始めました。




2014年5月16日金曜日

佐藤光政さんのコンサート

きょうは 錦糸町で佐藤光政さんのコンサートがありました。

光政さんが42年指導されている 「市川女声」のゲスト出演もありました。

私は 今から40年前、光政さんの伸びのある声を聴いてファンになり、追っかけをしていました!

2009年に帰国してネットで光政さんの活動を探しました。
定期的にコンサートをされていることを知り追っかけを夫としています。
夫も光政さんのファンになりました。

光政さんは 布川事件の支援も長年されていました。

きょうは 桜井さんも来られていて舞台で冤罪について少しお話しされました。

泣いた赤鬼

ステップファミリー

英語にステップファミリーという言葉があります。

再婚した夫婦に子どもがいる場合の 片方の親とは血がつながっていない義理の家族のことです。

他者に紹介する時には 子どもにもステップをつけて ステップファーザー(義理の父)、ステップドーター(義理の娘)というように呼びます。

最近は日本にもこのような家族が増えてきました。

アドラー心理学では 新しい夫婦は「夫婦の課題」、
血がつながっている親子は「親子の課題」として対応します。

新たに家族になった片親は 家族としての課題には取り組みますが
子どもが望む場合は別として「親子」と意識はしません。

子どもから見た場合
「自分のお母さんの配偶者」あるいは「自分のお父さんの配偶者」としてのみ見ます。

2014年5月14日水曜日

愛されていました・・・

アルフレッド・アドラー博士は 
「どのような精神病理も勇気をくじかれていることに起因する」
と言い、保護者や教師に 勇気づけ対応の大切さを説きました。

今から100年以上も前のことです。

EMDRセラピーは1989年にアメリカの心理学者 フランシーヌ・シャピロ博士によって発表された 比較的新しいトラウマの治療方法です。

2013年8月に WHO(世界保健機構)がクライエントに負担が少ない治療方法として
「メンタルヘルス ストレス関連ガイドライン」の中で紹介しています。

アドラーの「勇気づけ」の理論とEMDRセラピーの治療には 重なる部分が多くあります。

幼いころに勇気をくじかれた人は 自分を否定的に見ています。
勇気をくじかれた時の出来事(トラウマ的体験)の中に
EMDRセラピーでは「否定的認知(トラウマ体験時に自分をどう思うか)」「その時の感情」「身体のどこでそれを感じるか」を伺います。

否定的認知は「私は不十分だ」「私は期待外れの人間だ」「私は無価値だ」「私は何か間違ったことをした」などなど 様々なものがあります。

EMDRセラピーでいくつかのトラウマが解消されてくると 肯定的認知が出てきます。

昨日はクライエントさんの口から
「私は愛されていました。」
と出てきました。

EMDRのRはReprocessingで再処理と言う意味です。
処理が 順調に進んだからこそ出てきた言葉で クライエントさんと一緒に喜びました。



2014年5月12日月曜日

予想外でびっくり!

「幼稚園です。小さな園児用のロッカーと先生の下半身が見えます。」

幼稚園の頃のトラウマを伺っている時、見えるものを伺うと 上記の言葉が返ってきました。

「先生の下半身!!!」
そうですね、子どもの視線では 見えるものは 先生の下半身なのです!!!

「先生の言葉にドキッツとした自分がいました。先生がそういうことを言うのかと 予想外でびっくりしました。」

その方のトラウマは 小学校、中学校・・・と どれも
「予想外でびっくり」
でつながるものでした。


上書き記憶

「トラウマを抱えています。うつ症状を長く患っています。」

とおっしゃる方の中で ごくまれに一つの記憶を扱っただけで かなり改善される方があります。

共通しているのが トラウマに対してEMDRを始めると 刺激の度に肯定的な記憶が出てくることです。

「お父さんからモラハラを受けていた。」
とおっしゃる方が 
「大好きな父が来た、と思いました。こんなこと思っていたんだ!」
であったり
「父の笑顔が見えます。」
と言われたり・・・。

昨日息子と話す機会がありました。
自分の記憶に対して
「上書きされている・・・。」
と表現しました。

楽しかった、肯定的な出来事があっても 衝撃的な出来事があると
それまでも否定的であったように思い込んでしまう・・・

それに関連して 回復が早かったクライエントの方々を思い出しました。

記憶の上書きだったからなのだと・・・。



2014年5月11日日曜日

暗く生きるのが正しい生き方!

「音楽やってる人達って 日本人でも違うのね!明るくて 楽しそう!暗く生きるのが正しい生き方っていう普通の日本人じゃないね!」

と友人Kさんが 夫のフェイスブックを見て言いました。
それには 夫が日本で知り合った音楽家のコンサートの写真がありました。
確かに、どなたも笑顔がステキです!

インド系カナダ人の夫は 英語教師ですが パーカッション奏者でもあります。
この動画の1分40秒のところから演奏が始まります。

夫は昨年7月馬橋で日本人の音楽グループに出会いました。

サックス奏者「テナー万太郎」で検索して頂くと 出てきます。


日本は32位

世界178ヶ国中32位。

セーブ・ザ・チルドレンが発表した「お母さんに優しい国」の順位だそうです。

「国会議員に女性が少なく、女性の声が政策に反映されにくい」からとのこと。

(NHK午前7時のニュース)

民主主義が導入されて 半世紀以上経ちましたが・・・。

2014年5月10日土曜日

自己肯定感を育てる・・・

練馬区の保育園で昨年、一昨年と「勇気づけ」についてお話させて頂きました。

今年も異なる保育園からお話を頂きました。
「自己肯定感を育てるための保育士のことばかけ」
という題です。

保護者と同時に保育士、幼稚園の先生、小学校の先生方に
「勇気づけの対応」を学んで頂きたい、と思っています。
私も 10年ほど公立小学校で教師をしていましたが その時に「勇気づけの対応」を知っていたかった!!!と思ってきました。

「勇気づけの対応」は子ども達のこころの病を防ぎます。
健康な大人になるためには 子どもの頃の家庭、学校という環境が大きく影響します。

保育園でお話させて頂くことは 「子どもたちの環境である保育士の方々」ですので とても嬉しく思います。
 

2014年5月9日金曜日

奇遇・・・14年を経て・・・

17年前から3年間お世話になった弁護士さんとばったりお会いしました。
都心へ向かう電車の中です。
予定していた電車に乗り遅れた上、いつもとは異なる車両に乗りました。
・・・奇遇・・・です。

並んで席に座ることができたので 少しお話ししました。

「自分で生きて行こうと決めておられましたよね。」
とおっしゃいました。

自分ではその日その日をひたすら生きていただけという印象です。
「きょうを生きれば 明日につながる」
と。

今、その苦しみを経て得たものの大きさを思います。

「どのようなことも 自分の財産になります。」
とセミナーやカウンセリングの中でお伝えしている根拠です。

2014年5月8日木曜日

フラッシュバック体験

20年前の出来事をフラッシュバックする体験をしました。

すっかり忘れていた固有名詞を聞いたことがきっかけでした。

今年は2014年。
苦しかった日々は 1994年なので ちょうど20年前になります。

感情、身体が記憶していることを実感しました。

EMDRセラピーを行う際の注意「安定化」の重要性を再認識しました。

1994年というのは 私の名前で語呂合わせ出来るので良く覚えています。
「イクコ、苦しむ」です。

このフラッシュバックの体験は クライエントの方の苦しみ、辛さを理解するのに必要なことだった、と肯定的に受け止めることができます。


2014年5月7日水曜日

DV と トラウマ:EMDR

自分が家族から直接受けたDV(Domestic Violence:家庭内暴力)も
直接受けたわけではなく 目撃しただけ、あるいは聞いただけでも記憶にしっかり残ります。

一番安心で安全であるべき家庭でそれが起きているのです。

直接自分が暴力を受けていなくても 見た、あるいは聞いた時の「こわい」「不安」「信じられない」という様々な感情とその時に身体がどう反応したかが記憶の神経に蓄えられます。

一度その体験をすると 似たような体験をした時に また新たな記憶の神経にその出来事が刻みつけられます。

はじめはそれほど大きな出来事で無かったとしても 
「チリも積もれば山となる」
のことわざのように自分の中で大きな存在になっていきます。

何がきっかけでどのような症状になるかは 千差万別です。

EMDRセラピーは 時系列にトラウマ的出来事を扱います。

一つの棘が抜けるように 一つのトラウマを処理することが出来ると
「少し気分が軽くなる」
ように感じたり あるいは自分では気がつかなくても 家族、あるいは知り合いの方が変化にきづかれることがあります。

「表情が優しくなったね。」
「なんだかこの頃明るくなったね。」
のような言葉は 変化が起きていることの証です。

2014年5月4日日曜日

子どもは親をかばう・・・

子育て中の若いカップルと二人のお子さんと会った時のことです。

小学校1年生のとし君と年少の妹みかちゃん。

ママ:この間パパはみかを噛んだんですよ!ほら、ここにあとがついてるんです!

私:え~っ、みかちゃん、嫌って言わなかったの?

みかちゃん:無言

とし君:パパはね、みかちゃんが可愛いの。だから噛むの。

私:そうなのね~、可愛いから噛むのね・・・。

ママがパパのことを私に報告しているのを聞き、パパをかばう小1のとし君。

子どもにとって親がどれほど大切な存在であるかが分かります。

「親のこころ、子知らず」
といいますが どちらかと言うと
「子のこころ、親知らず」
の場面に出会うことの多い日々です・・・。


2014年5月3日土曜日

発達障害とEMDR

広汎性発達障害、アスペルガー症候群と診断を受けた方の多くは五感が敏感です。
記憶力も人並み以上という方もかなりおられます。

クライエント山川さん(仮名)のご家族に伺うと
「五感が敏感ですね!最近のことは忘れっぽいですが いじめられたことは良く覚えていますね!」
とのことでした。

五感が敏感、記憶力が良いということは いじめられた時のことを
視覚、聴覚、身体等からの刺激をかなり強烈に受け、それが鮮明に思い出されるということです。
フラッシュバックは なんらかのきっかけでいじめのできごとをはっきり思い出し、
かなり昔のいじめも「たった今いじめられた」というように感じておられます。

いじめられた経験、不快な経験があればあるほど フラッシュバックの頻度も高くなります。
昨年、NHKでEMDRセラピーに関する番組が放送されてから 発達障害と診断を受けた方の相談が増えました。

EMDRセラピーの後一時的に不快感、不安感が増したように感じる方もおられます。
EMDRセラピーは 記憶に刺激を与えるので それを鮮明に思い出されるのです。
これは治療の過程です。

一時的に戻ってくる不快感を減らすための手順(安全な場所、TFT)を踏んでからEMDRセラピーを行うのはそのためです。

治療を続けると不快感、不安感はゼロになります。
「できごと」として記憶に残ることはあっても そこで経験した不快な感情は思い出すことはなくなります。