2009年8月30日日曜日

アラスカでも生きていけそう!

「アラスカでも生きていけそう。」
1年毎に転校し、新しい環境での生き方を身に着けたMさんの子どもの頃の思いです。
「それを思ったのは何才だったの?」
と尋ねると 
「多分 小学校の高学年。」
とのこと。

北は宮城県から南は宮崎県まで 小学校から高校まで11校を経験したそうです。
学んだことは
「所変われば 常識が変わる。前の土地で真実だったことは 次の土地では間違いだったりする。ある土地で ビー玉と呼んである土地では それをラムネ玉と呼ぶ。でも自分が新しい土地に行ったら それをそのまま受け止めて 前からラムネ玉と呼んでいたように振る舞う。どこの土地に行っても同じだったことは 人に嫌なことを言ったりしたりするのは 人に嫌われるということ。大切なのは 何処へ行っても“やさしさ”。自分のことは自分でして 人が困っていたら助ける、助け合う。」
など。

人は誰でも自分の心理学を持っていますが Mさんほどアドラー心理学に近いものを持っておられる方には 初めて出会いました。

「アラスカでも生きていけそう。」
と言うのは Mさんが自分の柔軟性、適応力に気づかれていたということですね。

Mさんは 教師を32年間勤めた後退職し ホームヘルパーの資格を取って 時々ヘルパーをされています。
秋からは エステシャンになる学校へ通われるとのこと。
新しいことへの挑戦をためらわない態度は 子どもの頃に培われたものですね。

2009年8月28日金曜日

感動したビデオ

「音楽や芸術に国境は無い」を実感させてくれるビデオです。
ケニア生まれのイギリス人の友人から送られて来ました。
下の「感動のビデオ」の文字をクリックすると見ることが出来ます。

感動のビデオ

2009年8月26日水曜日

結末

ゲーム感覚3割…万引き少年 低い罪の意識:警視庁の調査
7月末までに万引きで検挙された総数は8644人で前年比約17%増だったが、このうち20歳未満の少年は2565人で同約46%増、特に中学生は1211人に上り、同約69%も増えていた。
万引きをするする罪悪感については、「捕まるとは思っていなかった」(46%)、「悪いことだと思っていなかった」(6%)だけで半数以上を占め、「捕まれば厳しく処分されると思った」(18%)を大きく上回った。検挙された後の気持ちについても、「運が悪かった」が105人(25%)に上るなど、反省する姿勢を見せない少年が目立っていた。
同庁は今後、小売店などにすべての万引き被害について通報を求めるとともに、家庭や学校にも、改めて万引きが犯罪であることを認識するよう指導を強化する方針。(2009年8月26日20時15分 読売新聞 より)


欲しいと思うこと自体は「興味・関心がある」という点で肯定的なことである、万引きという方法が 社会の秩序を無視した違法なものである。欲しい物を手に入れる為に どうしたら良いか、どんな選択肢が考えられるだろうかを 子どもが生まれた時から 生活の中で教えていく必要がある、ということだと思います。

「捕まれば厳しく処分されると思った」(18%)は 結末を考えないで万引きをしている少年が8割ということになります。
社会のルールを学ばないまま、行動の結末を予測する力を持たないまま中学生になっているということです。

この「行動の結末を予測する力が育っていない」ことは 万引きに限らず 社会の様々な場面で現われて来ると推測出来ます。
アドラーの「勇気づけ講座」では「自分の行動の結果は 必ずなんらかの結末を生む」と説明しています。
学校や家庭で 社会の秩序を教え、自分の行動の責任を取るという「勇気づけの対応」が成されていれば この調査のような結果にはならないと思うと 「勇気づけ講座」を広めたいと思います。

2009年8月22日土曜日

「勇気づけ」レッスン

友人のTさんが 「勇気づけ講座」を受けて下さっています。
お子さんは無いのですが 自分自身のために。

きょうは「あなたはどこからきたのでしょう」の内容でした。

アドラー心理学では 「5つの要素」が性格の基礎になるとしています。
1.健康・容貌
2.家庭の経済・社会的状態
3.親の養育態度
4.性別
5.きょうだい順位
です。

それに「早期回想:子どものころの記憶」が加わります。

子どもの頃の記憶は 芋づる式に色々出てきます。
どなたの記憶も現在のその方の行動や気持ちと一致していたり
何らかの関連が見出せます。

「三つ子の魂百まで」
と言いますが 子どもの頃の環境は本当に大切です。

子どもの頃に作られた性格、行動傾向を持って
その後 何十年を生きていくことになるのですから。

2009年8月19日水曜日

引きこもり

一昨日 Youtube で引きこもりの成人した息子を持つご両親の動画を見ました。
日本で放映されたテレビ番組でした。

中学の時から不登校で そのまま引きこもりになり 20年以上引きこもりの状態とのことです。
それを見ながらアドラー心理学のテキストにあった言葉を思い出しました。

「子どもが幼い頃に 自立と責任を学ばせる訓練の時間を取らないと 成長した時には
その訓練の為にもっと時間がかかることになる。」

多くの保護者の方々は 子どもが大人になった時の状態を予測しにくいようです。
私たちのような様々な世代の 心の病を持った人々に接する仕事をしていると
保護者の対応とその子どもの表情を見て 親子関係が分かり
その子どもが大人になった時の姿をある程度予測できます。

「このままではまずいかも・・・」
とお子さんの状態について感じておられたら 
教育を受けた専門家に相談して欲しいと思います。
その専門家が自分の気持ちに合うことも大切です。

お子さんが 外出できるようであれば EMDRの治療を取り入れているセラピストに
当たられることをお勧めします。
欧米ではほとんどの都市にありますし 日本でも各地におられます。
不登校の子どもに対するリサーチの結果も日本で発表されています。

「善は急げ」と言います。

前記の引きこもりの方のお母さんが
「私が死んだら全てが終わる。」
とおっしゃっていました。
お母さんの苦しみは それで終わるのでしょうが 息子さんの人生は
そこでは終わらないことでしょう。

一人でも多くの方に「三つ子の魂百まで」の言葉通り
幼い頃の対応が大切、と「勇気づけ講座」をお伝えしたいと思います。

2009年8月15日土曜日

クリーニング店で

近所にあるクリーニング店の経営者はギリシャ人の女性です。

2年前にお店の権利を買って経営を始めた方です。
通っているうちに話をするようになり 今では行くと
「コーヒー飲んでいく?」
と尋ねられるようになりました。

きょうも頼んだものを引き取りに行くと誘われました。
お店がだんだん忙しくなってきて 疲れている様子です。
「大丈夫なの?」
と尋ねた返事が返って来ました。
「金曜日はね、この近くに住んでいる義母を訪ねるの。
彼女がご飯を作ってくれて、デザートまでゆっくりするのよ。
金曜日が私にとって最高の日よ。
主人か義母を選べって言われたら 迷わず義母を選ぶわ。
すっごくいい人なの。」
「ギリシャ人はね、人情味があって親切でいい人ばかりなのよ。」

お店の経営の話も聞かせてもらったこともありますが
忙しいわりには お金にはならない、
でも始めたからには納得の行くまでやってみる、とのことでした。

義理の仲でいい関係を持っておられる話を聞くと
いいエネルギーがもらえます。

2009年8月14日金曜日

青少年のワークショップ

きょうは ワークショップがありました。

これまで全く発言をしなかった19才の青年が きょうは何度も発言をしたという変化がありました。
遅刻ぎみだった彼が きょうはワークショップが始まる時間より早く来ていました。
「たまたま早起きしたんだよ。」
と。彼が自分のことを聞かせてくれました。

カリブ海の小さな島が生まれた所、とのこと。
7才の時にお母さんが亡くなったので叔母さんに連れられてカナダに来たそうです。
お父さんは多分アメリカのどこかに居るとのことで 連絡は取っていない・・・。
一緒にカナダに来た二人のお姉さんはそれぞれ結婚していて 彼は一人暮らし・・・。

ワークショップを開いて下さった青少年保護団体の責任者の青年(JPさん)が
「自分は彼らの親でありたいと思っている。」
と言われた訳が分かりました。

ワークショップの初日に責任者の青年と参加者の間に
しっかりと信頼関係があるのを感じた背景が見えてきました。
(参加者については 性別と年齢だけが知らされていました。)

2009年8月13日木曜日

スイミング教室

きょうは YMCAのスイミング教室がありました。
初日は15人前後いた受講者は回が重なるにつれて少なくなり、5人でした。
インストラクターは二人です。
20才前後の女の子達です。
生徒の大部分は熟年のおばさんです。

「足は良くなったけど、手がまだ後ろへ行きすぎ。」
「今のは 完璧。」
セミプライベートレッスン状態で 泳ぐ度にコメントを下さいます。

「若いっていいな~~~。」
と 熱心に説明して下さる表情に見とれてしまいます。

自分の出来、不出来よりインストラクターの女の子の
健康な表情と声が印象に残った今日のスイミング教室でした。

元気をもらった気もちになりました。

2009年8月7日金曜日

ワークショップ

きょうは 青少年ワークショップの4回目でした。

「ストレス」について解説と討論をしました。
討論の中で アラブ系カナダ人の青年が言いました。

「教育者という人たちは おどしたり叱ったりして
子どもを教育しようとしている。そんなのは教育じゃない。
そういう教育者にたくさん出会ってきた。もちろん全部じゃないけど。
でも 多くがそうだった。
そういう人たちに 俺はいくらでも 悪い態度を取れるよ。
笑顔をくれる人には 笑顔で返すけど 文句を言う人には
もっと強く出てやるんだ。」

アドラー心理学で説明している 不適切な行動の目的を
そのまま彼は語っています。

教育者や大人が 子どものためを思って言ったとしても
信頼関係が出来ていないところでは 効果がない、
ということです。

彼が前向きに生きていこうと苦しんできたことは
表情や態度からばかりでなく ことばの端々から伺えます。

ワークショップが終わってから 同僚が言いました。
「彼はこれまでの人生ですごく勇気を挫かれてきているね。
私たちが少しでも力になって生きたいね。」

私の息子と同世代の青年です。
かつての息子の姿と重なりました。

2009年8月4日火曜日

分かりません

勉強をみている時、相手が
「分かりません。」
と 言ってくれるととても助かります。

「分からないこと」
「間違ったこと」
に対して 勇気づけをすると 
子どもばかりでなく大人でも安心します。
そして 恐れないで
「分かりません。」
と言ってくれるようになります。

分からない部分があっても先に進んで勉強していくことが出来る人もいれば
分からない部分が気になって立ち止まる人もいます。
気になる部分を解決した方が 後のことを考えると良い場合が多いのではないでしょうか。
「分からないこと・間違うこと」に対して 勇気づけができれば
子どもは本来持っている理解力を いっそう伸ばすことが出来るでしょう。

2009年8月3日月曜日

リハビリ効果

昨日は父の88才の誕生日でした。
父に誕生祝いの電話をしました。父はお礼を言った後、母のリハビリの話を始めました。
「お母さんは リハビリに通うのを楽しみにしておられます。きょうはね、驚いたことがあったんだよ。送ってくださるリハビリの車が着いた、と思って今から玄関に行くと、お母さんはもう廊下を歩いておられたんだよ。2ヶ月前は 玄関から廊下に上がるのが大変だったのに。リハビリのおかげで 目に見える回復です。」
84才の母がリハビリセンターに通いはじめて2ヶ月弱になります。
母の声も聞きました。
「孫のような若い先生方が“歩きましょか?”と言われるから “はい。”と言って 歩くの。体が動くようになるって うれしいね。皆さんのおかげで ありがたいことです。」

介護保険の利用を勧めて下さった 介護タクシーの運転手さん、お世話してくださったケアマネジャーのTさん、巣南リハビリセンターの職員の方々のおかげです。

母が自力で玄関から廊下へ上がれたことは 父にとって大きな驚きと喜びだったようです。
誕生日プレゼントですね!!!