2014年5月3日土曜日

発達障害とEMDR

広汎性発達障害、アスペルガー症候群と診断を受けた方の多くは五感が敏感です。
記憶力も人並み以上という方もかなりおられます。

クライエント山川さん(仮名)のご家族に伺うと
「五感が敏感ですね!最近のことは忘れっぽいですが いじめられたことは良く覚えていますね!」
とのことでした。

五感が敏感、記憶力が良いということは いじめられた時のことを
視覚、聴覚、身体等からの刺激をかなり強烈に受け、それが鮮明に思い出されるということです。
フラッシュバックは なんらかのきっかけでいじめのできごとをはっきり思い出し、
かなり昔のいじめも「たった今いじめられた」というように感じておられます。

いじめられた経験、不快な経験があればあるほど フラッシュバックの頻度も高くなります。
昨年、NHKでEMDRセラピーに関する番組が放送されてから 発達障害と診断を受けた方の相談が増えました。

EMDRセラピーの後一時的に不快感、不安感が増したように感じる方もおられます。
EMDRセラピーは 記憶に刺激を与えるので それを鮮明に思い出されるのです。
これは治療の過程です。

一時的に戻ってくる不快感を減らすための手順(安全な場所、TFT)を踏んでからEMDRセラピーを行うのはそのためです。

治療を続けると不快感、不安感はゼロになります。
「できごと」として記憶に残ることはあっても そこで経験した不快な感情は思い出すことはなくなります。