2014年3月13日木曜日

心理的虐待を防止する子育てへのヒント

「心理的虐待を防止する子育てへのヒント」
という題で 書いて欲しいとマイベストプロ:JIJICO編集部からメールを頂きました。
題とは少し異なると思いましたが EMDRセラピーの中で感じていることを書いてみました。

EMDRセラピーというトラウマを解消する治療の中からクライエントの方にとって何がトラウマのきっかけになったのかが見えてきます。 幼児の頃からの日常生活にあった出来事は大人が想像する以上に強いインパクトとして幼い子どもの記憶に残っています。時には赤ちゃんの頃の記憶を持っておられる方もあります。

・両親がいつも言い争いをしていた
・きょうだいが親に強く叱れているのを見た
・自分が強く叱られた、ぶたれた
・習い事をしていた時に他の子があるいは自分が先生から叱られた
このような記憶はもれなく自分を否定的に捉える考えに結びついていきます。
・私は悪い人間だ
・私は取るに足らない
・私は何か間違ったことをした
・私は自分を信用できない
・私は自分を守ることが出来ない
・私は無力だ
などなど。

 一度このような考えを持つと同じような出来事に出会う度に自己否定の考えは強くなっていきます。
そして何らかのきっかけで様々な精神的、肉体的な症状に出てきます。

「心理的虐待」は私たち大人が気づかないでしていることが多々あります。
 家族ばかりでなく、1週間に1度の習い事の先生も毎日子どもたちと接する機会のある保育園、幼稚園、學校の先生も既に子どもが自己否定の気持ちを持っていたら それを強化しかねないことを言っているかもしれないのです。

 私たち大人は子どもの為と思って何か言葉を発したり叱責したりします。注意することはそこにある感情です・・・心配、いら立ち、不安、腹立ち・・・。

この感情を持って子どもに接することは効果的な成果にはつながりません。もちろん、一時的には効果があったように見えることもあります。罰を受けるのが嫌、叱られるのを避ける為に行動することがあるからです。

 将来的な病理を予防するために、気づかないで子どもに心理的な負担をかけないために大人が出来る効果的な対応は

1.       子どもに対応しようとする時に自分の感情に気付く
2.       自分の感情の元になっている子どもの「分かって欲しい」という気持ちがあることを理解する
3.       自分の感情が処理出来てから子どもに温かい言葉をかける
4.       「おはよう」「ありがとう」「頑張っているね。」のような日常の当たり前の言葉かけが子どもに「居場所がある安心感」を与えます。

「安心できる居場所」が家庭、習い事の場所、子どもが毎日通う場所(保育所、幼稚園、学童など)のどこか一か所でもあれば 子どもは心理的虐待から救われます。
 虐待を受けているかもしれない子どもにも
「おはよう」「おかえりなさい」「元気?」と近所の方がさりげなく言葉をかけることも居場所が無い、と感じている子どもには大きな援助になることもあります。