2010年5月9日日曜日

頑張れ!!!

頑張れ!という言葉を聞くたびに 思い出すエピソードが二つあります。

「お母さん、これ、すごく面白いよ。この子がこんな面白い文を書けるなんて思わなかったよ。」
と 高校の卒業文集を息子が見せてくれたことがありました。

息子は今年30才ですから12年ほど前でしょうか。

高校3年の女の子の作文でした。
タイトルは「マラソン大会」

「どうしてマラソンについて書くかというと 人生で二度とマラソンはしない、と思うからです。“頑張れ!頑張れ!”と 応援して下さるのは有り難いのですが もう充分頑張っているのです。」

応援して下さるのは 有り難い、と観衆に敬意を表した上で 自分の状態を伝えていることに感激しました。

もう一つは ホスピスの看護師だった方から 「勇気づけ講座」の話合いの中で聞いたエピソードです。

患者さんに ある看護師が
「頑張って!」
と言うと 患者さんが
「頑張ってる、頑張ってきた!もうこれ以上頑張れない!」
と 泣きだされた、ということでした。

どちらも「頑張れ!」という言葉は 言い手の思いを伝えているのであって 聴き手の状態を理解してはいない、という例です。
自分が理解されていない、と相手が感じることは「勇気づけ」ではない、ということですね。