2011年5月1日日曜日

アドラー心理学とEMDRセラピー

EMDRセラピーでは 治療に記憶を使います。

肯定的な記憶と否定的な記憶、どちらも使います。

肯定的な記憶は 自分の持っている力と関連していることを鮮明に思い出し、それを強化することに使います。

もうひとつは 自分の好きな場所、心地の良い場所、あるいは場面を「安全な場所」として心の安定を得る為に使います。

持っている力を見つけ出す時に アドラー心理学の「勇気づけ対応」の訓練で得た 肯定的な視点がとても役に立っています。

また治療の対象となる否定的な出来事の記憶を見つける時にも アドラー心理学の「早期回想:子どもの頃の思い出」
が有効です。

実はこれは カナダでEMDRのトレーニングを受けている時にも実感していました。

アドラー心理学では その人がどのように人格を形成してきたかを学びます。
「早期回想」も人格、その人の考え方、行動傾向を知るのに大きな要素です。

他の流派の心理学を学んで来られた方々には 現在起きている精神的な病理の発端となっている出来事を見つけることに困難を感じておられるようでした。
多くの参加者の方が 「記憶の掘り起こし方」について 講師に質問をされていたのです。

3月初旬に出社出来なくなって1日目の青年にEMDRセラピーをして 2ヶ月。
その後は 震えや吐き気の身体症状を出すことなく働き続けているそうです。

これは 治療者にとっては 大きな「勇気づけ」です。