2014年2月16日日曜日

EMDR:生後3ヶ月の記憶

20代後半の青年MさんへのEMDRです。
(掲載について Mさんの了解を得ました。)

彼には4才上の兄、Kさんがおられます
Kさんは 赤ちゃんの誕生を待ち望んでいて 生まれると
「僕の赤ちゃん!」
と とても喜んでいたそうです。

幼稚園から帰ると 赤ちゃんのベットに行き、赤ちゃんのほっぺをつついたり、さわったりしていたそうです。

「気持ちよく寝ていたところをほっぺをつついて起こされ、不快になった。手を伸ばして思い切り兄の前髪をつかんだ。兄は泣き出した。やった!と思った。」

が生後3ヶ月の記憶です。

現在、パートナーとケンカをしたり、他者から攻撃を受けた、と感じた時に怒りを抑えられないことがある。それについて考えていた時に あの生後3ヶ月の際に兄を攻撃したところに行きついた、と話されました。

生後3ヶ月の際の不快(怒り)の度合いは 最高値の10でした。

この場面についてEMDRを行いました。
1回目の28往復の両極性刺激をした後は「何も感じない」でした。
2回目以後は 次の通りです。


#1.何も感じない。

#2.そんなに大きな問題ではない。

#3.何も思わなかった。

(ここで怒りの度合いは 5に下がっていました。)

#4.そのことに対して相手は悪気はない。そんなに真剣にとらえる必要はない。

#5.相手に悪気はないし、じぶんはそんな反応をしなくても良い。暴力を振るわなくても良い。相手の立場を考えると 遊びたかっただけ。僕は自分の立場しか考えていなかった。

#6.何もなし。

怒りの度合いは 0.

#7.怒りは全くない。

Mさんの口から 相手の立場を考える言葉が出てきました。


EMDRはこのように 怒りの度合いが変化すると共に 考えも変化します。

Mさんは6回の刺激で怒りが0になりました。

何回かかるかは 個人差があります。


今後、パートナーとの意見が食い違い場面等で これがどう生かされるのか楽しみです。