2年ほど前、スポーツジムのインストラクターに言われたことがありました。
「福田さん、たくさん泣いたでしょう!」
「何の苦労もなく幸せそうに見える。」
と言われることもあるのですが 個人的な話をほとんどしたことのないスポーツジムのインストラクターの言葉には 本当に驚きました。
昔は悲しいことで泣きました。
クライエントの方の辛いお話を聞いて自分の辛さと重ねて泣いてしまったこともありました。
15年ほど前の事です。
最近は 関係が改善した、という嬉しい話を聞いた時にのみ涙することがありました。
ところが・・・
きょうの涙はどちらでもありませんでした。
EMDRセラピーでは 話はほとんどしません。
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)
両極性刺激を加えていく度に クライエントの方が 何かを感じたり、イメージを持たれたりします。それを報告して頂き、書き留めます。
そしてその新たに感じられたイメージに対して両極性刺激を加えます。
きょうは、クライエントの方がEMDRの刺激を受ける度に「再処理」が文字通り進んでいきました。
報告をされる時に じっと眼を見て、はっきりとした口調でよどみなくおっしゃるのが印象的でした。
それを聞いていると涙が出るのです。
悲しみでもなく、うれしいのでもなく・・・という涙は 初めてでした。
ずっと考えているのですが・・・。
・・・翌日・・・
涙の訳が分かりました。
私が感じた「うれしさ」でした。
再処理が進んでいることは クライエントの方が言葉に出して報告して頂く内容でわかります。
私の涙は
「クライエントの方の20年以上閉ざされていた苦しみが 氷が融けるように緩んでいくのを感じるうれしさ」
だと分かりました。